ベトナム航空でANAマイルは貯まる?積算率の罠と特典予約の全貌
東南アジア有数の成長路線である日本・ベトナム便において、洗練されたサービスとコストパフォーマンスで高い支持を集めるベトナム航空。航空連合(アライアンス)の基本知識を持つ旅行者ほど、「ベトナム航空はスカイチーム所属だから、スターアライアンスに加盟するANAのマイルは貯まらない」と考えがちです。
しかし結論から言えば、ベトナム航空の搭乗でANAマイレージクラブのマイルを獲得することは完全に可能です。ただし、そこにはアライアンスを超えた提携ならではの特殊なルール、予約クラスごとの積算率の落とし穴、さらには上級会員修行に関わる重大な制約が存在します。損をせず最大限にマイルを活用するための重要ポイントを整理しました。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ベトナム航空はスカイチーム所属だが、ANAとの包括的資本業務提携によりANAマイルの積算および特典航空券の相互利用に対応している。
- 要点2:格安エコノミークラスの予約クラス(運賃種別)によってはマイル積算率が0%になる場合があり、事前の予約クラス確認が必須である。
- 要点3:フライトマイルは貯まるものの、ANA上級会員資格判定に必要な「プレミアムポイント(PP)」は原則付与されないためステータス修行者は注意が必要となる。
【スカイチームなのに積算可能】ANAとベトナム航空が提携する理由
航空業界において、異なるアライアンスに所属する航空会社同士がマイレージ提携を結ぶケースは珍しい事例とされています。ベトナム航空が所属するのはデルタ航空やエールフランスが主導するスカイチームであり、ANAが所属するスターアライアンスとは競合関係にあります。
この垣根を越えた連携が実現している最大の背景には、2016年に締結されたANAホールディングスとベトナム航空の包括的資本・業務提携が存在します。ANAグループはベトナム航空の発行済株式約8.8%を取得し、役員を派遣するなど深い戦略的パートナーシップを構築しました。これにより、アライアンスの枠組みを超えたコードシェア便の運航、空港ハンドリング業務の相互受託、そしてマイレージプログラムの相互連携が公式にスタートしたという経緯があります。
この協業関係により、ANAマイレージクラブ(AMC)会員はベトナム航空運航便でANAマイルを貯めることができ、逆にベトナム航空の「ロータスマイル」会員もANA運航便でマイルを獲得できる強固な相互利用環境が整っています。

【2026年最新データ】ベトナム航空搭乗時のANAマイル積算率と対象予約クラス一覧
ベトナム航空搭乗時にANAマイルを確実に積算するためには、航空券の「予約クラス(運賃カテゴリーを表す1文字のアルファベット)」の確認が不可欠です。旅行代理店やオンライン予約サイト(OTA)で販売されている格安運賃の場合、積算対象外(加算率0%)に設定されているケースが少なくありません。
| 座席クラス | 対象予約クラス | ANAマイル積算率 | 編集部の見解・注意点 |
|---|---|---|---|
| ビジネスクラス | J, C, D, I | 125% 〜 150% | 上位運賃(J)は150%、割引ビジネス(C, D, I)は125%積算。区間基本マイル以上の高い還元を獲得可能。 |
| プレミアムエコノミー | W, Z, U | 100% | プレエコ設定便であれば区間マイルが100%付与され、出張や快適な旅行において費用対効果が極めて高い。 |
| 普通エコノミークラス | Y, B, M, S, H, K, L, Q | 50% 〜 100% | 普通運賃(Y, B)は100%、一般的な割引エコノミー(M, S, H, K, L, Q)は50%〜70%積算。 |
| 格安エコノミー / セール運賃 | N, R, T, E, G, P, A 等 | 0%(積算不可)または低積算 | 【最大の罠】セール価格の激安チケットは加算対象外運賃に該当することが多く、1マイルも貯まらないリスクがある。 |
旅行代理店のパッケージツアーや比較サイト経由の予約では、購入完了画面まで予約クラスが表示されない場合があります。マイル積算を重視する場合は、事前に航空券の詳細規定でアルファベット1文字の予約クラスを確認する習慣をつけることが大切です。
一般に知られていない重大な落とし穴|プレミアムポイント(PP)の付与判定
ANAマイレージクラブ会員が最も誤解しやすい盲点が、「プレミアムポイント(PP)」の付与可否です。プレミアムポイントとは、ANAの「ダイヤモンド」「プラチナ」「ブロンズ」といった上級会員ステータスや、スーパーフライヤーズカード(SFC)入会資格を獲得するために年間で蓄積する判定用ポイントを指します。
結論として、ベトナム航空が運航する便にベトナム航空の便名(VN便名)で搭乗した場合、ANAマイルは加算されますが、プレミアムポイントは一切付与されません。
ANAの公式規定において、プレミアムポイントの対象となるのは「ANAグループ運航便」および「スターアライアンス加盟航空会社運航便」などに厳格に限定されています。ベトナム航空は資本提携先であるもののスターアライアンス加盟社ではないため、ステータス判定用のポイントは対象外となる仕組みです。
例外として、ANAが販売するコードシェア便(NH便名)として発券し、ベトナム航空が運航するフライトに搭乗した場合は、運賃条件によってプレミアムポイントの積算対象となるケースがあります。ただし、その場合でも「ANAグループ運航便」としての搭乗実績(年間50,000PP中、ANAグループ便25,000PP以上などの条件)にはカウントされないため、SFC修行などステータス獲得を目指す旅行者は便名と運航会社の組み合わせを綿密に設計する必要があります。

【実態検証】提携航空会社特典航空券の予約手順と必要マイル数のリアル
貯まったANAマイルを使ってベトナム航空のシートを確保する「提携航空会社特典航空券」は、東南アジア路線のマイル単価を高める有効な選択肢として知られています。
日本とベトナム(ハノイ・ホーチミン・ダナン等)を結ぶ往復フライトにおける必要マイル数の基準は以下の通り設定されています(ANA提携航空会社特典航空券・ゾーン3/アジア1枠適用時)。
- エコノミークラス往復: 約35,000マイル 〜 38,000マイル前後
- ビジネスクラス往復: 約60,000マイル 〜 63,000マイル前後
予約はANAウェブサイトにログイン後、「提携航空会社特典航空券」の予約メニューからオンラインで直接空席照会および発券手続きが可能です。ベトナム航空のビジネスクラスはフルフラットシートを備えた機材(ボーイング787やエアバスA350)が日本路線に多数投入されており、わずか6万マイル程度でフルフラットの快適な移動体験を手に入れられる点は、マイラーにとって非常に実効性の高い活用ルートと言えます。
ただし、燃油サーチャージや空港諸税はマイルとは別にクレジットカード等で決済する必要があるため、発券時の諸費用見積もりは事前に確認しておくべきポイントです。
コードシェア便と事後登録の現場ルール|取りこぼしを防ぐチェックリスト
予約時にANAマイレージクラブのお客様番号(10桁)を登録し忘れた場合や、システム連携のエラーでマイルが自動反映されなかった場合でも、搭乗後6カ月以内であれば事後登録が可能です。
確実な事後登録を完了させるための手順と必要書類は次の通りです。
- 搭乗券(Boarding Pass)の原券または控えを必ず保管する: 紙の搭乗券またはデジタル搭乗券のスクリーンショット(便名、搭乗日、座席番号、搭乗者名、予約クラスが明記されたもの)を手元に残します。
- eチケットお客様控え(e-Ticket Receipt)を保存する: 航空券番号(13桁)が記載された電子チケット控えを用意します。
- ANA公式ウェブサイトから申請: 会員専用ページの「提携航空会社便のマイル事後登録」フォームへ進み、便名(VNxxx)、区間、予約クラス、チケット番号を入力して申請します。
事後登録の申請からマイル口座への反映までは、通常数日から約2〜4週間程度を要します。搭乗券を破棄してしまうと搭乗実績の証明が極めて困難になるため、マイルの加算が確認できるまでは搭乗券の原本を確実に手元に残しておくことが鉄則です。
【プロの結論】ANAマイル活用でベトナム航空を選ぶべき人・慎重になるべき人の判断基準
旅行や出張の目的に応じて、ベトナム航空とANAマイレージプログラムの組み合わせが最適な選択となる層と、別の選択肢を検討すべき層は明確に分かれます。
【ベトナム航空×ANAマイル連携をおすすめできる人】
- ANAマイルを効率よく使って、ビジネスクラス特典航空券でお得にベトナム旅行を楽しみたい人
- 日系航空会社(ANA直行便)よりも割安な運賃でベトナム航空に搭乗しつつ、しっかりとフライトマイルをAMC口座にまとめたい人
- ハノイやホーチミンを経由してダナン、フーコック島などのベトナム国内リゾートや近隣東南アジア諸国へ乗り継ぐ人
【慎重な検討またはANA直行便の利用を推奨する人】
- 年間のプレミアムポイントを蓄積してSFC修行やANA上級ステータス獲得を目指している人(VN便名ではPPが貯まらないため)
- 最安値のセール運賃(積算率0%の予約クラス)のみを狙っており、マイル積算が旅程選択の第一条件である人
- スターアライアンス・ゴールド特典(ラウンジ利用や優先搭乗)をベトナム航空の単独運航便で無条件に利用したいと考えている人

【ベトナム航空のANAマイル加算】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ベトナム航空に乗る際、ANAのスーパーフライヤーズ(SFC)やスターアライアンスゴールドのラウンジ特典は使えますか?
A1:ベトナム航空はスターアライアンス加盟社ではないため、原則としてスターアライアンスゴールド特典としてのラウンジ利用や優先搭乗は適用されません。ただし、ANAが発券したコードシェア便(NH便名)かつ一定の条件を満たす場合、指定ラウンジが利用できる例外規定が存在します。基本的にはビジネスクラス搭乗時、またはベトナム航空の上級会員資格(ロータスマイル・ゴールド以上)を保有している場合にラウンジが利用可能と認識しておくのが安全です。
Q2:ベトナム航空の公式HPで予約する際、どこにANAの会員番号を入力すればよいですか?
A2:予約時の搭乗者情報入力画面にある「マイレージプログラム(Frequent Flyer Program)」の選択肢で「ANA Mileage Club (NH)」を選択し、10桁のANAマイレージクラブお客様番号を入力してください。事前に登録できなかった場合は、出発当日の空港チェックインカウンターでANAカードまたはデジタル会員証を提示して登録を依頼するか、帰国後に事後登録申請を行ってください。
Q3:ベトナム国内線(例:ハノイ〜ダナン間)の単独利用でもANAマイルは貯まりますか?
A3:積算対象となる予約クラスで購入された航空券であれば、ベトナム国内線単独の利用であってもANAマイルの積算対象となります。ただし、格安のプロモーション運賃は積算対象外クラス(加算率0%)に設定されていることが多いため、事前に予約クラスのアルファベットを確認してください。
まとめ:提携ルールを正確に把握してベトナム渡航の価値を最大化する
「スカイチーム所属のベトナム航空ではANAマイルが貯まらない」という思い込みは、両社の強固な資本提携の事実を知ることで大きなアドバンテージへと変わります。良質な機内サービスと充実した路線網を誇るベトナム航空を上手に使いこなしながら、日々のフライトで着実にANAマイルを積み上げることが可能です。
運賃予約クラスごとの積算率の確認、そしてステータス修行におけるプレミアムポイントの非加算という注意点さえ把握しておけば、無駄な取りこぼしを防ぎながらコストパフォーマンスに優れたフライト体験を享受できます。次回のベトナム渡航時には、自身のマイレージ戦略に合わせて最適な座席クラスと発券ルートを選択してみてください。 (出典: ベトナム 航空 マイル ana(Yahoo!ニュース))